わが子に「マレーシア移住」の話、どう伝える? 不安を笑顔に変える、親子のコミュニケーション術

こんにちは。ライフコーチの常岡です。

マレーシアへの教育移住。パートナーとの間で方向性が固まり、具体的な計画が進み始めると、次に訪れるのは、とても大切で、そして少しだけ緊張する瞬間です。

それは、「この大きな決断を、どうやって我が子に伝えるか」というテーマです。

「まだ小さいから、全部決まってから話せばいいかな…」
「突然話したら、ショックを受けて泣き出してしまうかもしれない…」
「『お友達と離れたくない』と言われたら、何と答えればいいんだろう…」

親として、子どもの心をできる限り守りたいと願うからこそ、その伝え方に悩んでしまうのは、当然のことです。

しかし、教育移住は、親だけが進めるプロジェクトではありません。その物語の本当の主人公は、お子様自身です。だからこそ、お子様の気持ちを尊重し、一方的な「決定事項の報告」ではなく、「家族みんなの新しい冒険」として、ワクワクする未来を共有するという姿勢が、何よりも大切になります。

今日は、お子様の不安を笑顔に変え、この大きな変化を親子で一緒に考えていくための、具体的なコミュニケーションのヒントを3つのステップでお伝えします。

目次

ステップ1:「なぜ?」を伝える – 家族の夢を共有する

子どもは、大人が思う以上に、物事の理由を知りたいと思っています。ただ「マレーシアの学校に行くことになったから」と結果だけを伝えるのではなく、「なぜ、パパとママが、あなたにマレーシアでの生活を体験してほしいと願ったのか」、その背景にある愛情と夢を、お子様にも分かる言葉で、正直に伝えてあげましょう。

  • ポイント:冒険物語のように、未来を語る
    「実はね、パパとママは、〇〇ちゃんに、もっと広い世界を見て、色々な国のお友達とたくさん出会って、世界中に『大好き!』と思える場所を作ってほしい、と願っているんだ。マレーシアという国はね、まるで宝箱みたいに、たくさんの文化や面白いことが詰まっている場所なんだよ。そこで、家族みんなで新しい冒険をしてみないかな?」 例えばこんな感じで、親の願いをポジティブな言葉で伝え、お子様を「物語の主人公」として招待することで、「自分もその冒険に参加したい!」という主体的な気持ちが生まれやすくなります。

ステップ2:不安な気持ちを「聴く」 – 心のコップを空にする

どんなに魅力的な未来を語っても、お子様の心の中には、必ずと言っていいほど不安が生まれます。その不安を、決して軽く扱ったり、否定したりしてはいけません。

「お友達と離れるのが、すごく寂しいんだね。」
「言葉が分からない場所に行くのは、確かにドキドキするし、怖い気持ちにもなるよね。」
「今の学校の〇〇先生や、〇〇という行事が大好きなんだもんね。」

お子様の言葉の奥にある「寂しい」「怖い」「悲しい」といった感情を、まずは親が誰よりも深く共感し、受け止めてあげることが大切です。お子様の心が不安でいっぱいの「コップ」だとしたら、そのコップが空になるまで、優しく耳を傾けるイメージです。

ネガティブな気持ちをすべて話し終えた時、そこに初めて、新しい希望やワクワクする気持ちが入るスペースが生まれます。

  • ポイント:具体的な対策を「一緒に」考える
    「日本のお友達とは、いつでもビデオ通話でお話しできるようにしようね。週末は『オンラインゲーム大会』もできるかも!」
    「言葉のことは、パパやママも一緒に勉強するから大丈夫。最初はジェスチャーでも、きっと気持ちは伝わるよ。」 親が一方的に解決策を示すのではなく、「どうしたら、〇〇ちゃんの寂しい気持ちが、少しでも軽くなるかな?」と問いかけ、お子様と一緒に、具体的な対策を考えていく姿勢が、お子様に安心感と、「自分もこの決断に参加している」という当事者意識を生み出します。

ステップ3:小さな「ワクワク」を積み重ねる – 未来を「自分ごと」にする

移住の話をしたその日から、マレーシアでの新しい生活を、お子様にとっての「自分ごと」にしていくための、楽しい仕掛けを始めましょう。大きな決断の全体像は、子どもにとってはまだ実感が湧きにくいものです。それよりも、日々の生活の中にある、小さな「ワクワク」を一つ一つ積み重ねていくことが、未来への期待感を育みます。

  • 具体的なアイデア例:
    • 知識で体験する: 図書館やインターネットで、マレーシアの動物、食べ物、面白い場所などを一緒に調べ、ノートにまとめる。
    • 現地の食べ物を体験する: 日本にあるマレーシア料理のレストランに行ってみたり、ナシゴレンやサテなどの簡単な料理を一緒に作ってみたりする。
    • 言語で体験する: 「ありがとう(テリマカシ)」「おはよう(スラマッ パギ)」といった簡単なマレー語や、英語の挨拶を、歌やゲームで覚える。
    • 選択で体験する: 候補の学校のウェブサイトや動画を一緒に見て、「どっちのプールが楽しそう?」「この制服、どう思う?」といった、子どもの視点での意見を聞いてあげる。

これらの小さな活動を通じて、お子様の心の中に「マレーシア=楽しい場所」というポジティブなイメージが育まれ、移住への心の準備が、自然な形で整っていくのです。

お子様に移住の話をすることは、親として勇気のいることかもしれません。しかし、それは同時に、お子様の適応力と、家族の絆の強さを信じる、愛情深い行為でもあります。

どうか、この大きな変化のプロセスを、親子で手を取り合って、楽しんでください。その経験そのものが、お子様の心をたくましく成長させ、ご家族のかけがえのない思い出となるはずです。


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