うちの息子は今9歳で日本だと小学3年生なんですが、今はマレーシアのインターナショナルスクールに通っています。
私も最初驚いたんですが、ケンブリッジ式のインターだと息子は「Year 5」つまり5年生なんですね。
そんな息子なんですが、マレーシアで暮らしていると「ひらがな」や「漢字」を実際に「書く」機会がないんです。
ひらがなは全て読めますし、漢字もたくさん知っています。だけど書くことはできないんです。
そこでこの夏休みの間にちょっと「ひらがな」と「漢字」を練習しようということになったんです。
ただ、それまで全然やってこなかったことをやるんで、なかなか取り組みだすまでのエネルギーがいる。
最初は学習タブレットのアプリサービスを使って画面にペンで書く練習をしてたんですが、これがまあ大変。
書いた直後にアプリが「正しく書けたかどうか」を判定するんですね。書き順や画数、トメ、ハネが誤っているとキャラクターのかわいい声で「お手本をよく見て書こうね!」と言ってくる。
息子はそれを聞いて「見てるって!!」とイライラするんですよ。実際見てないわけじゃなくって、まだ鉛筆がうまく扱えないだけなんですから。
そんな様子を見ながら私はふと思ったんです。
自己啓発とか成長って、結構これに似てるんじゃないかって。
クライアントの中には、よく勉強されてる方も多いんですよ。理想の自分になる方法とか、セルフコントロールのノウハウ、中にはアスリートのメンタルトレーニングの知見がおありの方もおられました。
私も同じ本を読んだり、動画を見たりしたときに、結構「ステップぶっ飛ばし系」の情報が多いなって感じるんですよ。
いきなり理想の状態に飛びつこうとする。初手から精度高く完ぺきに近い状態を目指そうとするみたいな。
確かに、地道なことを書いても長くなるだけだし、読み物としてあんまりおもしろくないんですよね。
でも、「ステップぶっ飛ばし」ってうまくいかないんですよね。
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息子の「ひらがな」の練習に立ち戻ると、最初は「なんで、こんなことせなあかんねん」って顔してました。そんな時、息子の気持ちを理解しようと「ひらがなの練習、あんまりやる気でえへん?」聞いてみました。すると「べつに書くとき無いし、いらんやん」って。そらそうですよね。
とはいえ、一応日本人として、日本の文字は書けるようになってもらいたいなと思うので、ちょっと私の「コーチング脳」を使って考えてみました。
学び始めの最初の第一歩で大事なのは「どうであれ、はじめる」こと自体なんです。それだけですごいエネルギーを使ってる。多くの方が挫折するポイントは「始めることにエネルギー使い果たして、序盤でやらなくなっちゃう」ところだと実感しています。私もそうだから。
そんな時に「書き順」がどうの、「トメハネ」がどうのって「正しい形ではない」ことを指摘されてみてください。
もうへとへとになって、「もういやや」「やりたくない」ってなりますよね。誰だって。
ここで大切なのは、その行動自体に「自分にとっての価値」があるって認識することなんです。わかりやすく言うと、行動自体が「おもしろい」とか「楽しい」と感じられることってことです。
自己啓発も目標達成も同じなんです。いきなり理想の自分になろうとしたり、素晴らしい成果を出そうとして鼻息荒くスタートダッシュを決めて、2週間で息切れして、疲れて行動をやめてしまって、「続けられない自分はダメなんだ」とセルフイメージを削ってしまう。あるあるですよね。
大事なのは小さな一歩。「できた成果」や「やった結果の状態」ではなく「やったことそのもの」を誇りに思ってください。
息子には「今日も、ひらがな書いたん!すごいなあ」って言うんです。息子から「いや、自分が書けっていったんやん」と言われてしまうかもしれませんが、言われたからってできるとは限らないじゃないですか。「何文字」とか「きれいに」とか「間違えずに」とか関係ない。「書いた」ということがイヤにならないで続けていけるのが大切なんです。
更にそこに「おもしろさ」や「楽しさ」があれば自然とその行動は継続されていきます。息子の場合は、日本の本屋さんで買ってきた「うんこドリル」これが効きました。
子供向けのワークブックなんですが、ひらがなにしても、漢字にしてもすべての例文に「うんこ」が使われています。
ご興味があればこちらのリンクをご参照ください。学習効果についての研究結果も紹介されています。
このワークブックを導入してからは、毎日自分から「うんこドリル」を開いて、面白い例文を私に読んでくれるようになりました。
すでに「ひらがな」をノリノリで終えて、今は「漢字」を楽しそうにクスクス笑いながら書いています。
最初は、結果なんて気にしなくていい。書くこと自体、新しいことを始めること自体がすごいんだってこと。今この瞬間の行動を楽しめる工夫をすることこそが自然な継続のカギになり、成長の礎となるんです。
少しずつ、ステップバイステップで習慣ができていく。息子の漢字も、最初は億劫がってたのが、今では「この時間になったらこれくらい書く」みたいな感じで自然にやるようになりました。自己啓発も成長も目標達成も同じ。気づいたら新しい自分になってる。いかに小さな行動を飽きずに楽しく繰り返すことができるかどうか。
細かい向上や、改善なんてのはその後、新しい行動自体が「あたりまえ」になってから取り組みましょう。
「今の自分は何が楽しめるかな?」「この行動で、どんな気持ちが満たされるんだろう?」って考えてみる。こうやって自分の気持ちを理解すると、継続のための行動の楽しさが見つかってくると思います。
今日も息子はニヤニヤしながら、漢字を書いています。
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